≈Mad Madagascar≈

東京からお送りする草の記録です

ビカクシダの板付をするよ

最近では街の花屋さんでもポットのビカクシダをよく見かけます。ときにはリドレイなんかもあったりして驚くこともあります。

板に活着させたビカクシダは同じサイズでもポット販売の3〜5倍くらいの値段がする印象がありますので、めんどくさくても自分で板付けがオススメです。

今回近所の花屋さんでグランデとネザーランドの手頃な苗があったのでこれを板に付けたいと思います。いつも行っている超手抜き施工ですが、過去に行ったものも今の所調子は良さそうです。

※部屋の散らかりに関しては見て見ぬふりをしていただければと思います。スイマセン。。

 

こちらが今回買ってきた グランデ(左)とネザーランド(右)。両方とも2,000円しないくらいでした。

ネザーランドは名前の通りオランダで改良された園芸品種。一番流通しているビフルカツムを改良したもののようです。品種改良の末、どのように良くなったのかはわかりませんが、鉢植えの場合葉の立ち上がりが良いようです。あとは寒さにちょっと強いとか?

麋角羊歯 (ビカクシダ)は日本と同じく海外でも学名ではなく、Staghorn Fern (Stag=牡鹿、Horn=角、Fern=羊歯) と呼ばれていることが多いです。

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左: Platycerium grande
右: Platycerium bifurcatum 'Netherlands'



 

≈≈≈用意するもの≈≈≈

  • 何かしらの板 (今回は焼桐)
  • 水苔
  • 何かしらの紐 (麻ひもとテグスを愛用。強度☓)
  • インパクトドライバ
  • エードボールなどの肥料 (なければ無いでいい)
  • メネデール (おまじないなのでなくて良い)
  • 発根促進剤 (おまじないなのでなくて良い)

 バージンコルクやヘゴ板が奨励されているようですが、ホームセンターなどで気軽に手に入りにくいのと、高価なので普段は焼杉を使っています。ホームセンターにすでに焼いて黒くなったものが売られています。

今回はたまたま焼杉が品切れだったので、近くにあった桐にしました。塗料のように見えますが、これも焼いて黒くしているようです。初めてですがたぶん大丈夫でしょう。枯れる株はどんな板使っても枯れます。

910mm x 300mmを一枚購入し、その場でカットしてもらい300mmの正方形を3枚用意しました。

ドリルは必須です。活着自体はぐるぐる巻にすれば穴を開けずにできますが、ぶら下げるための紐や針金を通す穴を開ける必要があります。

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定石は無いと思うのですが、私は板に穴をたくさん開けます。通気性が良く蒸れにくい気がするのと、根が裏側に回ることを期待しいるからです。

あと、板が水に濡れると繊維に沿って若干反るので、向きを考えたほうが良いです。下の写真では、上の部分が実際ぶら下げる紐をつけるイメージです。

※台風の翌日でまだ風が強かったので、一連の作業をすべて室内で敢行しました。本当におすすめできません。部屋が水苔だらけになります!

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板に穴が空いたら水苔を戻します。何時間も漬け置きするという説明が各所にありますが、手抜き施工なのでそんなことはいたしません。大人は忙しいんです。

コツは、バケツに貯めた水の中で強く揉んで水をよく吸わせることです。適当に水につけただけではなかなか吸ってくれません。吸水が完了したら強く絞って水を捨て、この写真の状態。白い粉はおまじないのルートンです。正直不要かなと思います。

※ビカクシダの活着がはじめての方は多めに水苔を用意しておくことをおすすめします。自分の予想の2倍の量が実際に必要な量だと思ってください。作業を始めてから足りないとものすごく萎えます。

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お好み焼きっぽく上に薄めに置きます。注意点はありませんが、株の大きさとこれからどんどん成長することを想像して大きめに作るのがいいかもしれません。

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お好み焼きをテグスでぐるぐると巻いて固定します。穴にかぶらないようにしておくと後で麻ひもで止めるときに楽です。

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ここまできたら準備オーケー。鉢から株をぶち抜きます。グランデを抜きました。かなり用土が湿っており、なかなかほぐれなかったので水でじゃぶじゃぶ洗いました。

※グランデはある程度株が大きなって充実してこないと胞子葉が出てきません。この株も一見胞子葉があるように見えますが、すべて貯水葉です。

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この辺からどんどん写真が減ってきいました。写真を撮ってる場合ではなくなってくるんです。

こんな感じで適当に根の周りを水苔で覆ってイイカンジにセッティングしていきます。イイカンジにすればいいと思います!

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ポットに入っていたので貯水葉が変な形になっています。麻ひもでイイカンジに固定。(イイカンジとしか言ってない。。)

これで完成です。

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ネザーランドは写真を撮り損ねたのですが、こちらはポリポットに入っており、根っこがボンドのように固まっていたので、水でほぐしましたが全くほぐれませんでした。そのままだと根が成長しない気がしたので、2/3ほどぶった切りました。

たまに根が固まっているものがありますがあれ人工的なんですかね?それとも自分で汁のようなものをだして固まっているのでしょうか。

(ブレてる・・・)

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ここで重要案件です!一応ビカクシダには上下があります!が!私、どちら向きが正しいのか正直自信がないです。インターネット上でも情報が錯綜している節があり「成長点が上向き」というよくわからないアドバイスしかありません。

自生地の写真を色々見て、一応自分なりに出した答えは「成長点は貯水葉の下にある」というものです。雨を貯めるために、貯水葉は上に向かって成長して漏斗のような形になっていくイメージです。

何れにせよポット育ちの株は貯水葉がよくわからない形になっていたり、グランデは胞子葉が出ていないので、今回も勘で行きます。

間違ってたら教えてください〜!

 

今回はこの向きでぶら下げるつもりです。写真奥が上。

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ネザーランドは成長点が中にありよく見えないのでなおさらわかりません。

あれ?いきなり「成長点は貯水葉の下にある」ルール破ってない?って感じなんですが、なんかこっちがしっくりくるんです。。。

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ちなみに、今年の春からうちにあるビフルカツムはこうなってます。なんか理想通りって感じがしませんか?貯水葉の生え際の下に成長点がある。

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ぶら下げるとこんな感じです。真ん中の2つ。

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風と日光はほとんどすべての植物にとって重要だと思いますが、ビカクシダも例外ではありません。

ちなみに、調子が良いと貯水葉は3週間でこれくらい成長します。

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↓↓↓3週間後↓↓↓

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おわり